この本が難しい理由
この本は全部で14の章があります。ハトの品種改良の話から始まり、化石の話、生き物が世界のどこに住んでいるかの話まで、たくさんの実例を積み重ねて進みます。そのため、結論にたどり着くまでの道のりがとても長く感じられます。 とくに第6章から第9章までは、「あなたの説はここがおかしい」という反論にダーウィンが答えていく部分です。先に第1章から第5章で理論の骨組みをつかんでおかないと、何に対して答えているのかが分からず、読み進められなくなります。 もうひとつ、言葉の問題があります。同じ英語の言葉が、訳す人や時代によって「自然選択」になったり「自然淘汰」になったりします。入門書で覚えた言葉が原典では別の言葉で出てくるので、戸惑うことがあります。
読む習慣をつくる
ここからまんがや文字の少ない本で「1冊読み切った」という経験を作る段階です。
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ダーウィン 種の起源:未来へつづく進化論
基本長谷川眞理子/NHK出版(NHK「100分de名著」ブックス)
なぜこの本か
NHK「100分de名著」ブックスとして書かれた解説書です。まんがより一段、本文に近い文章に慣れられます。長谷川眞理子さんの解説は、原典の理論だけでなく、いまの進化の研究との関係にも触れています。この段階の締めくくりとして読むと、次の入門書に進みやすくなります。
掴むべきポイント
- 『種の起源』が何をなぜ論じた本なのかをつかみます
- 「自然選択」「生存闘争」といった言葉に文章で触れます
- 次の入門書に進む前に「1冊読み切った」という感覚を作ります
次に進む条件
『種の起源』が何を言った本なのか、自分の言葉で1〜2文で言えます
入門書で主要概念をつかむ
ここから大事な言葉を自分の言葉で言えるようにする段階です。著者を2人読んで、見方がかたよらないようにします。
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次に進む条件
「自然選択」「生存闘争」「適応」という3つの言葉を、本を見ずに説明できます
骨格を圧縮版でつかむ
ここから原典を現代語で短くまとめた本で、全体の骨組みと章の並びを頭に入れる段階です。
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次に進む条件
『種の起源』が何をどの順に論じている本なのか、目次を見ながらでも順に言えます
原典をガイドと並読する
ここから解説書を横に置いて原典を読む段階です。「原典の中での読む順番」に従うので、最初から読み始めなくて構いません。
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種の起源 上・下
基本チャールズ・ダーウィン/渡辺政隆 訳/光文社(光文社古典新訳文庫)
なぜこの本か
光文社古典新訳文庫の新しい訳による原典で、上下2冊です。読む順番は目次のとおりで構いませんが、第6章から第9章は自分の説への反論に答える部分です。先に第1章から第5章で理論の骨組みを確実につかんでから読むと、迷いにくくなります。
掴むべきポイント
- 第1章から第5章で自然選択の理論を確かめます
- 第6章から第9章は、何に対する反論への答えなのかを意識して読みます
- 第10章から先の、化石や生き物の分布の話に目を通します
- 第14章のまとめで全体をふり返ります
読了の目安
それぞれの章について1〜2行のメモが揃っています
原典の中での読む順番
- 第1章〜第2章 飼育された動植物の変化と、自然のなかでの変化(身近な例から入ります)
- 第3章〜第5章 生存闘争・自然選択・変化の法則(理論の骨組みです)
- 第6章〜第9章 自分の説への反論に答える部分(雑種、本能、化石の記録など)
- 第10章〜第13章 化石の証拠と、生き物が世界のどこに住んでいるかの話
- 第14章 全体のまとめと結論
順番どおりで構いません。ただし第6章から第9章は反論に答える部分なので、第1章から第5章で理論の骨組みをつかんでから進んでください。
用語の対応表
| 訳者によって異なる語 | 光文社古典新訳文庫(渡辺政隆訳)の語 |
|---|---|
| 自然選択/自然淘汰(natural selection) | 自然淘汰 |
| 生存競争/生存闘争(struggle for existence) | 生存闘争 |
| 種の起原/種の起源(書名の表記) | 種の起源 |
よくある質問
『種の起源』は第1章から読むべきですか?
順番どおりで構いませんが、第6章から第9章の「学説の難点」で止まりやすいので、先にNHKテキストや入門書で理論の骨格(自然選択・生存闘争)をつかんでから読むことを勧めます。
どの翻訳を選べばよいですか?
光文社古典新訳文庫の渡辺政隆訳は、初版をもとに現代の読者向けに訳された比較的読みやすい訳です。岩波文庫(八杉龍一訳)も初版訳ですが、第6版までの異同が注記されており、文体はやや硬めです。
最新の進化学とはどれくらいずれていますか?
遺伝の仕組み(DNA)はダーウィンの時代にはまだ分かっておらず、本書には触れられていません。現代の進化学との違いは、入門書やNHKテキストの解説で補うのが実用的です。
下巻まで読み切る必要がありますか?
本ロードマップのゴールは上下巻の通読です。ただし第10章以降(地質学・分布・分類学)は専門的になるため、時間が無ければ第14章の要約を先に読んでから戻る読み方も可能です。