この本が難しい理由
この本は全部で26の章しかなく、文章も分かりやすいほうです。それでも読みにくいのは、当時イタリアで実際に起きた出来事を前提に書かれているからです。チェーザレ・ボルジアという人の名前が何度も出てきますが、その人が何をした人かを知らないと、なぜその例が持ち出されるのか分かりません。 もうひとつ、この本には「目的のためなら手段を選ばない冷たい本」というイメージがついています。そのつもりで読むと、実際に書かれていることを読み違えます。本当は「自分の力で軍を持つべきだ」「運まかせにするな」といった、かなり具体的で現実的な話が中心です。 マキャベリ自身が政治の現場で働いていて、その職を失ったあとにこの本を書いた、ということを知っておくと読み方が変わります。
読む習慣をつくる
ここからまんがや文字の少ない本で「1冊読み切った」という経験を作る段階です。
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次に進む条件
『君主論』が書かれた背景を、自分の言葉で1〜2文で言えます
入門書で主要概念をつかむ
ここから大事な言葉を自分の言葉で言えるようにする段階です。著者を2人読んで、見方がかたよらないようにします。
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次に進む条件
「力量」「運命」「新しい君主国」という3つの言葉を、本を見ずに説明できます
骨格を圧縮版でつかむ
ここから原典を現代語で短くまとめた本で、全体の骨組みと章の並びを頭に入れる段階です。
原典をガイドと並読する
ここから解説書を横に置いて原典を読む段階です。「原典の中での読む順番」に従うので、最初から読み始めなくて構いません。
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君主論 新版
基本マキアヴェリ/池田廉 訳/中央公論新社(中公文庫)
なぜこの本か
池田廉さんによる現代語訳の原典です。全26章と短く文章も分かりやすいので、下の「原典の中での読む順番」のとおり第1章から順に読めます。この本の中心は第15章から第23章の、君主に必要な資質の話です。そこに入る前に前半の歴史の話で息切れしないよう、分からない人名は流して読み進めて構いません。
掴むべきポイント
- 第1章から第11章の君主国の分け方は、細かい点より枠組みに注目して読みます
- 第15章から第23章の資質の話を、この本の中心として読みます
- 第24章から第26章の結びで、当時のイタリアの状況を確かめます
読了の目安
それぞれの章について1〜2行のメモが揃っています
原典の中での読む順番
- 第1章〜第11章 君主国の種類と、手に入れて保つ方法(歴史の実例が多い部分です)
- 第12章〜第14章 軍隊の話(傭兵への批判と、自分の軍を持つべきだという主張)
- 第15章〜第23章 君主に必要な資質の話(気前のよさ、冷酷さ、信義など。この本の中心です)
- 第24章〜第25章 イタリアの君主が国を失った理由と、運についての話
- 第26章 イタリアを解放せよという呼びかけ(結びの章)
順番どおりで構いません。前半は知らない人名が続きますが、分からない名前は流して読み進めてください。
用語の対応表
| 訳者によって異なる語 | 中公文庫(池田廉訳)の語 |
|---|---|
| ヴィルトゥ/力量・能力(virtù) | 力量 |
| フォルトゥーナ/運命(fortuna) | 運命 |
| 新君主国/新しい君主国(principati nuovi) | 新しい君主国 |
よくある質問
『君主論』は第1章から読むべきですか?
通して読むなら順番どおりで構いませんが、本書の核心とされる第15章から第23章(君主の資質論)を先に押さえてから、第1章からの歴史的事例に戻る読み方もできます。
「目的は手段を正当化する」はどの章にありますか?
この言葉自体は本文の直接の引用ではなく、後世に本書の主張を要約した表現として広まったものです。近い趣旨は第18章「君主はいかに信義を守るべきか」などに見られます。
どの翻訳を選べばよいですか?
中公文庫の池田廉訳(新版)は現代語として読みやすく入手しやすい版です。岩波文庫の河島英昭訳も定評がありますが、本ロードマップは中公文庫版を基準にしています。
歴史の知識がないと読めませんか?
チェーザレ・ボルジアなど頻出する人物や国名は、NHKテキストや入門書が背景を補ってくれます。まずそちらで当時のイタリアの状況をつかんでから原典に進むことを勧めます。